先日、2007S/S東京コレクションを終えたばかりの『KINO』。デザイナーの石川智恵さんは、バンタンデザイン研究所ファッションデザインLAB.の1988年度卒業生。今回は、デザイナーとして、女性として、またキャリアウーマンとしての魅力にあふれた石川さんへのインタビュー内容を公開します。『KINO』の2007S/Sコレクション(テーマキーワードは『ユニコーン』!)の画像も、ともにご堪能ください。
KINO Brand Concept
シンプルかつ洗練された 大人のエレガンス どんな服でも過剰にしないことがポリシーです 自分の選びとるすべてがおもしろいと信じられる強さとフリーに意識を開放してこそ生れてくる柔軟な国際的MIX感覚
毎シーズンKINOらしいユニークな哲学でテーマ性をもって展開していきます


■ファッションデザイナーになろうと思ったのはいつ頃?きっかけは?
もう、本当に小さい頃から、デザイナーになるという夢がありました。物心がついて、人形遊びを始めたころから。人形に着せる服をハンカチで作ったり、自分の洋服を切ったりしていました。母に「なんで切っちゃうの!」って怒られながら 笑
■バンタン在学中の思い出や、印象深かったことは?
講師がみなさん個性的で、プロの現場をリアルに学ぶことができました。フランクであり、厳しくもあり、自分の個性はそのような素晴らしい講師の方々に引き出されたと思います。学校はとても楽しかったです。その頃も(現在も変わらず)古着やアンティークものが好きで、古着ファッションが多かったですね。


■バンタンを卒業してから『KINO』立ち上げまでの経緯を教えてください。
バンタン卒業と同時に㈱ビギに入社しました。本当は、1年くらい就職しないで遊んで、ボウズ頭にも挑戦してみたいなぁ、なんて思っていたんですけど 笑。居心地がよく、自由で楽しい職場でした。自分の中で一区切り付いたな、と思った頃、会社を辞めて1年間ほどイギリスへ。
帰国後、興味を持っていた、当時の『INDIVI』デザイナーの田山淳朗さんのお手伝いがしたくて、㈱ワールド入社。約3年間で一通りのことができるように、わかるようになって、オリジナルブランド『KINO』を立ち上げました。本当に自分の好きなものを作りたい、だれかに、着て喜んでもらいたいとの思いから、少ないスタッフでスタートさせました。
■渡英時代の頃のことを、もう少し詳しく教えてください。
今行かなきゃもう行けない、なんて思ってイギリスへ旅立ちました。イギリスの音楽が好きだったんです。語学も習得したかったので。ライブばかり行っていましたけど 笑。
現地にデザイナーの友人がいて、よく会っていました。手伝ったりも。現在はミラノコレクションにも参加しているその友人に影響されたところは大きかったですね。彼に会っていなければ、現在も独立していないかも。


■『KINO』に関して
□オリジナルブランドの立ち上げを視野に入れていたのはいつ頃?
やっぱり、渡英したときですね。会社勤務していたころは、そんなこと考えている余裕もなかったです。基礎固めで手一杯で。何事においてもあてはまると思うけれど、基本をしっかり勉強するのは大切なことだと思います。
□ブランド名の由来・意味は?
KINOというのは女性の名前です。ひらがなでもカタカナでもなく、アルファベットの大文字の活字イメージで、国籍は不明。ミステリアスな、架空の人物で私が想像上で作り上げたんです。ブランド『KINO』の洋服は、彼女に似合う。私が年齢を重ねていくことで、『KINO』のブランドイメージがブレるようなデザインをするようなことは避けたかったので、不変のブランドミューズをブランド名にしました。彼女は、自立した、かわいいというよりはかっこいい女性。しなやかで、強い。グラマラス、フェミニン、キュートはどれもちょっと違う、シンプル、が一番しっくりきますね。
(これはたまたまだったんですけれど)KINOはドイツ語で映画の意なんです。それで、デザインするときにストーリー性をもたせるようにしています。コレクションショーも毎シーズンごとに違うストーリーのイメージで(ここ数シーズンはギリシャ神話をもとに作ったストーリーだとか)、シーズンごとの統一感を出します。今回の2007 S/Sのキーワードは「ユニコーン」。キーワードがあれば、観客の皆さんもイメージしやすいでしょう?
□東京コレクションに参加するようになってから、自身・周囲に変化はあった?
とても多くの人、特にファッション関係者と知り合うようになり、コネクションが拡がりました。かなりの気力と体力が必要ですが、ショーの15分間の緊張感は結構好きで、とても楽しいですよ。
□”自身が着たい服”をデザインされていますか?
それが、全くそうではないんです。着心地や素材感を確かめるために、自分の服を意識して着るようにはしているんですけれど、普段着たいとは思いません。他人が着ているのを見るのが好きなんですよ。主観ではなく、客観的に、一人でも多くの方に着たいと思っていただけるように、デザインしているつもりです。


■デザインする際に、何にインスピレーションを得ますか。
建築、自然・・・日常、旅行先で目にするもの。
■心境の変化がデザインに影響することはありますか。
あります。というより、そのまま素直に出ます。素材選びのときなんかもそうです。それってすごく楽しいことだと思う。アナログな、生身の人間がデザインしている、それが醍醐味でしょう?体温を感じさせるコレクションは、私がその時期にどんなことを考えているのかを発信できる、コミュニケーションツールにもなるじゃない?


■これからの展望や目標は?
オンリーショップを持ちたいです。近々・・・の話になるといいけど!?ずっと先の目標は考えられないんです。マイペースな性格なので。ひとつ目標を達成したら次、っていうコツコツ派なんです。
■デザイナーのたまごたちにメッセージをお願いします。
デザイナーになりたい!服が好き!っていう気持ちを忘れずに、くじけそうになったら思い出して。興味あることには積極的に行動することが大切です。発想は個人の自由。この先も、素敵なデザイナーが、スターがどんどんが登場するのを楽しみにしています!
KINOホームページ http://www.kino-inc.com/
[関連・参考サイト]
OB/OG紹介 http://vantan.com/obog_h/index.html



